先週、ドイツのマインツ市議会は、「大麻モデル地域」を目指すとの決議を行いました。これはドイツ全国で初となる挑戦です。しかしながら、現在のドイツ法ではそのような法的枠組みは存在していません。したがって、この投票は象徴的で、ある意味で先取りの決断となります。
同時に、4月中旬には、連邦議会(Bundestag)も大麻の合法化を一部承認しました。具体的には、連邦政府が2段階制度を導入。個人での栽培や使用を認める「プライベートクラブ」の設立と、限られた都市で商業的、嗜好用大麻の使用を認める制度です。
ドイツでは、大麻の使用や所持が一般的には違法とされてきました。しかし、2000年代からは医療用大麻の利用について法的な認知が進んできています。2017年には、特定の医療条件下での大麻の使用が合法化されました。
とはいえ、嗜好用大麻の使用は引き続き違法とされてきたため、このマインツ市の試みは一定の衝撃をもって受け止められています。
マインツ市、大麻クラブ設立を先駆けに
この「大麻プライベートクラブ」は非営利団体として、メンバー間での大麻の取引と栽培が許されることになります。ただし、一つのクラブには最大500人までのメンバー制限があり、また、1人あたりの月間あたりの大麻は50グラムまでとされています。
2段階目は、専門の「コーヒーショップ」での大麻の商業販売です。しかしこの点については、連邦議会の法案は比較的慎重です。当局の発表によれば、この制度は一部の都市でしか利用できないとのこと。マインツ市はその一つとなることを望んでおり、市当局は既にそのための提案に投票しています。
ただし、連邦議会はまだ大麻の合法販売に向けたメカニズムを導入していないため、マインツ市の大麻コーヒーショップがどのような形をとるかは見通しが立っていません。それでもなお、マインツ市当局はこの流れに先んじることを望んでいます。
若者の保護とブラックマーケットの打撃を狙う
社会事業部長のエッカルト・レンシュ氏は、この動きは特に若者を保護するためのものだと説明しましたが、その最終的な影響についてはまだ評価が待たれます。
さらに、保健相のカール・ラウターバッハ氏は、この法案がただのパイロットプロジェクトであり、若者の薬物使用を減らし、違法なブラックマーケットを打撃することが明確な目標だと説明しました。また、ラウターバッハ氏は、この限定的な大麻導入が確定的なものではなく、目標が達成されない場合、政府は撤回を決定する可能性もあると指摘しました。
とにかく、マインツ市が大麻コーヒーショップ設立の先駆けとなるかどうか、これからの展開が注目されます。